松﨑春川氏、中正氏父子が二代にわたって蒐集した古筆と古写経のコレクションです。平安、鎌倉時代の古筆57件と奈良から南北朝時代までの古写経67件、古筆手鑑『濱千鳥』、古写経手鑑『穂高』、さらに春川が手掛けた「本願寺本三十六人家集」の複製3件です。
古筆には、これまで紹介されてこなかった名筆もあります。掛幅が30件、27件がまくりの状態です。古筆手鑑『濱千鳥』には160葉の断簡が収められ、「関戸本古今集」や「筋切」などの名筆が押されています。
古写経は、天平期の年紀のある素紙経や平安時代の装飾経など、大半が首尾一貫した巻子本です。寄贈をきっかけに新調した古写経手鑑『穂高』は、79件の断簡を上下二冊の帖と六段桐重箱に収めています。