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  • 三輪田米山(1821-1908)コレクション

    王羲之や「秋萩帖」などを学んだ米山のコレクションは、書幅6件、日記1件、拓本14件、全21件です。米山の書は伊予松山で親しみ愛され、数多く残されていました。日尾八幡神社の宮司の家に生まれた米山は、60歳まで神職にあり、神社や祭礼に関わる書を多数揮毫しました。境内の入り口に建てられた「鳥舞魚躍」をはじめ、松山市周辺に多くの碑が建てられています。当館に収められた拓本は、それらの石碑を、新倉勇一氏、金木和子氏が採拓したものです。

     

    三輪田米山筆(1821-1908)万葉歌、紙本墨書、一幅、131.0×62.5

     

    三輪田米山筆(1821-1908)忍之一事衆妙之門、紙本墨書、一幅、131.8×57.3
  • 中林梧竹(1827-1913)コレクション

    梧竹のコレクションは46件。亡くなるひと月前に揮毫した「鈍刀不截骨」や清国人との交流が垣間見える「四言詩」、60代から最晩年にかけて年紀を有する大作などを含みます。成田山境内には梧竹が揮毫した複数の石碑が現存し、それらの拓本があることもここならではです。梧竹は王羲之をはじめとする晋唐の書に加えて清朝書法を学び、漢魏六朝の古典を積極的に吸収して、個性的な書を多く遺しています。

     

     

    中林梧竹筆(1827-1913)四言四句、紙本墨書、二幅、各134.0×31.2

     

    中林梧竹筆(1827-1913)朝爽、紙本墨書、一面、30.9×68.0、明治44年

     

     

    中林梧竹筆(1827-1913)鈍刀不截骨、紙本墨書、一幅、135.1×33.5、大正2年

     

    中林梧竹筆(1827-1913)般若心経、紙本墨拓、一幅、120.8×134.0
  • 巌谷一六(1834-1905)コレクション

    巌谷一六は、鳴鶴や長三洲、金井金洞らと並び、明治を代表する書家のひとりです。当館で収蔵する一六の作品は47件。「賀江馬天江古稀詩」は、ともに国事に奔走した江馬天江の古稀を祝うものです。成田山境内には一六が揮毫した複数の石碑が現存し、その拓本も有します。各所からご寄贈いただいたコレクションが40件以上にのぼることからもわかる通り、一六は大変人気のある書家でした。

     

    巌谷一六筆(1834-1905)七言二句、彩箋墨書、二幅、各132.7×31.9、明治26年

     

    巌谷一六筆(1834-1905)賀江馬天江古稀詩、紙本墨書、一幅、136.3×66.2、明治27年

     

    巌谷一六筆(1834-1905)、奉納金屏風一雙、紙本墨拓、二幅、各325.0×178.8、明治35年
  • 日下部鳴鶴(1838-1922)コレクション

    皆様からの寄贈を受け、55件の作品や資料を収蔵しています。

    彦根藩士の家に生まれた鳴鶴は、養子となった日下部家と国事のため、幕末期を武士としての気概を持って過ごしました。維新後は大久保利通の知遇を得て大書記官として活躍し、退官後は明治を代表する書家として多くの門下の育成に力を注ぎました。貫名菘翁に私淑し、楊守敬との交流を経て確立した独自の風は、その後の門下の活躍により現代に至るまで脈々と受け継がれています。当館の収蔵品は若書きから晩年に至る書業を通覧できるコレクションとなっています。

     

    日下部鳴鶴筆(1838-1922)七言絶句、絖本墨書、一幅、147.6×41.2、明治13年、後藤玄会氏寄贈

     

    日下部鳴鶴筆(1838-1922)龍峡勝概、紙本墨書、六曲一双、各139.0×33.7、大正10年

     

    日下部鳴鶴筆(1838-1922)五言律詩、絖本墨書、一幅、田中真洲氏寄贈
  • 西川春洞(1847-1915)コレクション

    青山杉雨氏をはじめ、各所からご寄贈いただき、53件の作品や資料を収蔵しています。

    唐津藩の侍医の子として江戸日本橋に生まれた春洞は、明治維新後は早くに致仕して書を専らとしました。徐三庚に師事した秋山碧城が帰国時に携行した篆書出師表と隷書郭林宗碑に惚れ込んだのを機に大きく書風が変わります。当館のコレクションは、春洞が次第に碑学への傾倒を深め、重厚感を増していく過程を理解できる内容となっています。また、春洞の中国趣味への傾倒ぶりを示す自刻の砂壺などの仿古製品の拓本もあり、書と向かい合う文人の営みも感じることができます。

     

    西川春洞筆(1847-1915)五言二句、絹本墨書、一幅、205.0×78.5、明治22年、青山杉雨氏寄贈

     

    西川春洞筆(1847-1915)臨周旧輔甗銘、紙本墨書、一幅、67.0×31.0、明治27年、西嶋慎一氏寄贈

     

    西川春洞筆(1847-1915)沈石田安居歌、紙本墨書、六曲一双、各139.6×51.6、明治39年、青山慶示氏寄贈

     

    西川春洞筆(1847-1915)晋陶弘景語 劉禹錫陋室銘 、紙本墨書、六曲一双、各136.0×32.0、大正2年、高木聖雨氏寄贈

     

    西川春洞筆(1847-1915)五言聯、絹本墨書、二幅、各164.0×33.5、大正3年、青山杉雨氏寄贈

     

     

  • 近藤雪竹(1863-1928)コレクション

    雪竹は、多くの書道団体が結成され、展覧会活動が盛んになった大正期に、指導的な役割を果たしました。門下の田中真洲氏をはじめ、松本芳翠氏や桑田笹舟氏旧蔵の作品がのちにご遺族によって寄贈されました。特に真洲氏は、歿後の回顧展に向けて尽力し、『近藤雪竹遺墨帖』の編集にも携わりました。

     

    近藤雪竹筆(1863-1928)李白詩、絖本墨書、一幅、152.7×43.7、谷村憙斎氏寄贈

     

    近藤雪竹筆(1863-1928)飲中八仙歌(部分)、紙本墨書、一巻、34.1×273.9、田中真洲氏寄贈

     

    近藤雪竹筆(1863-1928)天保九如、紙本墨書、一幅、138.3×64.6、大正15年、田中真洲氏寄贈

     

  • 萩原秋巌(1803-1877)

    萩原秋巌筆(1803-1877)五言律詩、紙本墨書、一幅、144.8×31.4、岸大洞氏寄贈
  • 浅野楳堂(1816-1880)

    浅野楳堂筆(1816-1880)墨梅図賛、紙本墨画墨書、一幅、179.1×95.2
  • 大沼沈山(1818-1891)

    大沼沈山筆(1818-1891)詠竹、絖本墨書、一幅、117.4×34.1、谷村憙斎氏寄贈
  • 佐瀬得所(1822-1878)

    佐瀬得所筆(1822-1878)詩書屏風、紙本墨書、六曲一双、各134.5×41.7