幕末明治の下谷文人
江戸時代には幕府の儒学政策と黄檗僧の渡来などによって、明末清初の中国文化が江戸の市井にももたらされました。浅草の八百善をはじめとする料亭には、大田蜀山人や亀田鵬斎、市河米庵、寛斎、菊池五山などといった文人たちが煎茶や詩文、書画などを楽しんでいます。
こうした文人たちのいとなみは近代にも受け継がれ、書画会が盛んに開催されました。人びとは、文人を囲んで思い思いにやり取りを楽しみ、書家や画家も来場者の要望に応じて書画を揮毫します。目前で筆をとる文人たちの姿に感動を覚えたり、その書画を求めたりと、多くの人びとが集まりました。
この時代の文人たちは書家であると同時に漢詩人、画家といった一面を持っており、さらに、公では政治家や官吏、実業家などの顔を持つさまざまな階層の人びとが交流しています。文墨に親しむさまざまな文人たちの書や画をおたのしみください。
会期
令和7年4月26日(土)-6月15日(日)
休館日:5月7、12、19、26日、6月2、9日
開館時間
9時-16時(最終入館は15時半)
入館料
大人500(350)円 高・大学生300(200)円 中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
主催・会場
成田山書道美術館
〒286-0023 千葉県成田市成田640 ℡.0476-24-0774
交通
JR・京成成田駅下車 徒歩25分またはタクシー
主な出品予定作品
「七言絶句」大田蜀山人 一幅
「論書六言詩」市河米庵 一幅
「合作書画幅」亀田鵬斎、酒井抱一、菊池五山、市河寛斎、市河米庵ほか 一幅 文化13年
「花卉図賛」大沼枕山、福島柳圃、奥原晴湖ほか 一幅 明治8年
「明治天皇御製」西川春洞 六曲一双 大正2年