貫名菘翁(1778-1863)コレクション

王羲之を頂点とする晋唐の書で書風を築いた菘翁のコレクションは、海屋の落款のある50代から最晩年の作まで計43件です。ほとんどが行草書の書作品で、画賛が3点あります。大半の作品を関係の先生方からご寄贈いただきました。
菘翁は85歳で中風に見舞われ、揮毫がままならない状態に陥りますが、筆を執るまでに回復し、翌年に歿するまでの作を「中風書き」などと呼ばれています。「糺林旗亭」はその期間に揮毫された一点です。菘翁を代表する大字作品のひとつ「眠雲臥石」や「茶香酔趣」など、80歳前後から最晩年の作品が当館のコレクションの核となっています。

 

貫名菘翁筆(1778-1863)茶香酔趣、彩箋墨書、二曲一双、各166.8×91.4、秋田・小川家旧蔵

 

貫名菘翁筆(1778-1863)金昭玉粋、彩箋墨書、一面、31.3×117.2、安政3年(1857)、秋田・小川家旧蔵

 

貫名菘翁筆(1778-1863)眠雲臥石、紙本墨書、二曲半双、各130.0×62.1、安政4年(1857)、秋田・小川家旧蔵

 

貫名菘翁筆(1778-1863)いろは屏風、紙本墨書、六曲半双、各138.0×54.0、文久元年(1861)、秋田・小川家旧蔵

 

貫名菘翁筆(1778-1863)糺林旗亭、紙本墨書、一幅、127.4×45.2