菅間健之蒐集近世禅林墨跡コレクション

事業家として活躍された菅間健之氏は日本美術に造詣が深く、特に近世の禅林墨跡をはじめとする茶の湯にまつわる美術を愛好されました。菅間氏は成田山新勝寺を篤くご信仰されたご縁からそのコレクションを計110件収蔵しています。

近世の禅林墨跡を中心としたコレクションは全国でも数少なく、今まで収蔵品の層が薄い分野の一つでした。大陸の文化を色濃く受け継ぐ禅僧は、大陸の書と日本の書の流れを紐付ける立役者であり、文化的に重要な役割を担っていました。菅間コレクションはこの部分を担うものであり、近現代の書が飛躍的に変化を遂げる胎動期の資料として、重要なコレクションとなっています。

 

一絲文守筆(1608-1645)山居十詠(部分)、紙本墨書、一巻、29.9×262.4、菅間健之氏寄贈

 

誠拙周樗筆(1746-1820)知足第一富、紙本墨書、一幅、33.1×11.0、菅間健之氏寄贈

 

嶺南崇六筆(1583-1643)維摩居士図賛、紙本墨画墨書、一幅、106.0×52.1、菅間健之氏寄贈

 

月船禅慧筆(1701-1781)智入三世而無来往、紙本墨書、一幅、104.0×27.8、天明元年、菅間健之氏寄贈