西川春洞(1847-1915)コレクション

青山杉雨氏をはじめ、各所からご寄贈いただき、53件の作品や資料を収蔵しています。

唐津藩の侍医の子として江戸日本橋に生まれた春洞は、明治維新後は早くに致仕して書を専らとしました。徐三庚に師事した秋山碧城が帰国時に携行した篆書出師表と隷書郭林宗碑に惚れ込んだのを機に大きく書風が変わります。当館のコレクションは、春洞が次第に碑学への傾倒を深め、重厚感を増していく過程を理解できる内容となっています。また、春洞の中国趣味への傾倒ぶりを示す自刻の砂壺などの仿古製品の拓本もあり、書と向かい合う文人の営みも感じることができます。

 

西川春洞筆(1847-1915)五言二句、絹本墨書、一幅、205.0×78.5、明治22年、青山杉雨氏寄贈

 

西川春洞筆(1847-1915)臨周旧輔甗銘、紙本墨書、一幅、67.0×31.0、明治27年、西嶋慎一氏寄贈

 

西川春洞筆(1847-1915)沈石田安居歌、紙本墨書、六曲一双、各139.6×51.6、明治39年、青山慶示氏寄贈

 

西川春洞筆(1847-1915)晋陶弘景語 劉禹錫陋室銘 、紙本墨書、六曲一双、各136.0×32.0、大正2年、高木聖雨氏寄贈

 

西川春洞筆(1847-1915)五言聯、絹本墨書、二幅、各164.0×33.5、大正3年、青山杉雨氏寄贈