松本芳翠(1893-1971)コレクション

ご遺族をはじめ、各所からご寄贈を受け、43件の作品を収蔵しています。

薬剤師を志して上京した芳翠ですが、日下部鳴鶴や近藤雪竹の影響を受けて書を志しました。東方書道会や書海社などを結成して新たな書壇の潮流を牽引、戦後も日展をはじめ現代書道二十人展でも活躍しました。自ら賦した漢詩を書くなど文人的素養をベースに各体をよくし、切れ味の良い澄んだ線質で規範性のある端正な書を多く遺しています。当館の収蔵作品は、日本芸術院賞に輝いた「談玄観妙」をはじめとした展覧会出品作が多く含まれ、芳翠の書業を俯瞰することが出来ます。

 

松本芳翠筆(1893-1971)談玄観妙、紙本墨書、一面、各169.9×41.6、昭和35年日本芸術院賞、谷村雋堂氏寄贈

 

松本芳翠筆(1893-1971)五輪十絶之一「魔女」、紙本墨書、一面、56.8×140.3、昭和39年、谷村雋堂氏寄贈

 

 

松本芳翠筆(1893-1971)断雲、紙本墨書、一面、59.1×140.5、昭和32年日展、谷村雋堂氏寄贈

 

松本芳翠筆(1893-1971)拈華微笑、紙本墨書、一面、69.7×137.8、昭和37年、谷村二葉氏寄贈