松井如流(1900-1988)コレクション
ご遺族ならびに鈴木響泉氏を始めとした皆様からのご寄贈を受け、98件の作品を収蔵しています。また、肉筆原稿などの資料からは、研究者、歌人としての如流の姿が垣間見えます。
吉田苞竹のふくよかで勁い線に憧れ、上京して師事、『碑帖大観』や『書壇』の編集を手助けしながら研鑽を積み、戦前から書壇で活躍しました。戦後は豊富な知識を生かして『書跡名品叢刊』『書品』などを手がけました。その研究の根底となった如流自身の拓本コレクションも当館にまとめて収蔵されており、如流の書を考える上でも貴重な資料です。当館の収蔵作品は日展や毎日書道展、現代書道二十人展をはじめ、主要な展覧会の出品作が多数含まれており、行草から隷書、少字数へと推移した如流の書業を回顧できる内容となっています。