青山杉雨(1912-1993)コレクション
戦後に書壇を牽引した青山杉雨は、日本近現代の書に光をあてるべく開館した当館の設立に、最も尽力した書家です。コレクション36件の大半はご遺族の青山トク氏・青山慶示氏からご寄贈いただいたものです。杉雨晩年の書業を見渡せるコレクションです。
「一作一面貌」と称されるように、新鮮な作品を生み出し続けた杉雨ですが、最期まで書への意欲は衰えませんでした。弱った体を後ろから抱きかかえられながら筆を執った「書鬼」はそのことを物語る象徴的な作品です。
現代作家のコレクションの皮きりともいえる杉雨コレクションは、この時代に連なる日本の書の歴史を、そして当館の理念を考える上でも、大きな核となっています。