青山杉雨(1912-1993)コレクション

戦後に書壇を牽引した青山杉雨は、日本近現代の書に光をあてるべく開館した当館の設立に、最も尽力した書家です。コレクション36件の大半はご遺族の青山トク氏・青山慶示氏からご寄贈いただいたものです。杉雨晩年の書業を見渡せるコレクションです。

「一作一面貌」と称されるように、新鮮な作品を生み出し続けた杉雨ですが、最期まで書への意欲は衰えませんでした。弱った体を後ろから抱きかかえられながら筆を執った「書鬼」はそのことを物語る象徴的な作品です。

現代作家のコレクションの皮きりともいえる杉雨コレクションは、この時代に連なる日本の書の歴史を、そして当館の理念を考える上でも、大きな核となっています。

 

青山杉雨筆(1912-1993)捜秦漢聚晋唐、紙本墨書、二幅、各186.1×52.6、昭和39年謙慎書道会展、青山トク氏・青山慶示氏寄贈

 

青山杉雨筆(1912-1993)眼中之人、紙本墨書、一面、105.0×106.7、昭和59年、青山トク氏・青山慶示氏寄贈

 

 

青山杉雨筆(1912-1993)蘭亭序句、紙本墨書、四幅、各137.5×68.3、平成3年、青山トク氏・青山慶示氏寄贈

 

青山杉雨筆(1912-1993)九陽光、紙本墨書、一面、106.2×121.4、平成3年、青山トク氏・青山慶示氏寄贈

 

青山杉雨筆(1912-1993)書鬼、紙本墨書、一面、69.0×137.0、平成4年読売書法展、青山トク氏・青山慶示氏寄贈