古谷蒼韻蒐集法帖コレクション
中野越南に私淑し、いわゆる帖学派の作家として知られた古谷蒼韻氏もまた、当館に多くの法帖を寄贈しています。42件の原拓類をはじめ、影印本などが収蔵されています。古谷コレクションについては、学書に直接関わりあるものを重視して形成されたものと見られ、零本であっても、必要と認めるものであればコレクションに加えていました。例えば「宝晋斎法帖」は巻一、二、四の三冊を蔵し、なかでも王羲之の十七帖などを繰り返し臨書してきたようです。こうした法帖や影印本を駆使しながら古人の筆意をたどっていったものと考えられます。